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VOL.192 リフォームをおこなう目的とは。
(2008.07.11)

今回から、なぜ新築ではなくリフォームなのか?
リフォームにの背景にある問題点を少し整理して、
もう少し、その実体を皆さんへ伝えていこうと思います。
まずリフォームを考えるとき、その目的は大きく3つに分けら れるように思います。

1.生活環境の変化に対応するための内装や設備の更新を目的としたリフォーム。
2.来たる大地震に備えて、最低限、倒壊しないような耐震補強を前提と するリフォーム。
3.大地震に遭遇しても、その後住み続けられる住まいを目指すリフォー ム。


1解体後1.jpg
<解体後:築42年の内部解体後の様子>


ケース1.生活環境の変化に対応するための内装や設備の更新を目的としたリフォーム。

これは、基本的な構造躯体が現在の新耐震基準に
適合した建物ということが前提になると思います。
つまり、1981年(昭和56年)6月から施行された新耐震基準以降に建設された
築27年以内の建物ということが一つの目安になります。
しかし当然のことながら、内装を剥がした後に構造、
主に接合部や筋交いが手順通りに施工されているかを目視でチェックすることが大事です。
また、既存壁を撤去して広い空間にする場合は、撤去後の耐力壁の壁量で構造計算をし直し、
追加の補強をすることが必要になり ます。


2耐圧版1.jpg
<耐圧版:新設の基礎と耐圧版の配筋の様子>


ケース2.来たる大地震に備えて、最低限、倒壊しないような耐震補強を前提とするリフォーム。

これは、築28年以上、或いは兎に角古い建物で、
早急に耐震補強する必要がある場合ですが、
予算の制約から大々的な補強まで手が回らないケースが考えられます。
実は、この建物での依頼が非常に多いのが現状です。
基礎自体がない、外周のみ基礎があるが無筋(鉄筋が無い)で
内部の床下は土の状態、基礎は一応あるが現在の基準に適合しない。
いずれの場合も基礎からやり直す必要があるのですが、そこまで予算はかけられない。
ではどうするかといいますと、上部構造が倒壊しないよ うに筋交いを増やしたり、
構造用合板を貼り込んで、在来を箱のように補強して倒壊しないように工夫します。
また、屋根が瓦の場合は金属板 に変更して柱・梁にかかる荷重を軽くしてやることも有効です。
現在、 免震・制震ダンバー式の製品が数多く出ていれ、これを利用するのもあるでしょう。
しかしながら、これですと木造部分は大丈夫でも、基礎が破壊されるので、
地震後に建物にダメージが残り、その後住み続けるには 再度基礎補強をおこなうことになります。
つまり、資産価値はそこでなくなってしまう可能性があるわけです。


3構造補強1.jpg
<構造補強:既存の壁・柱に加えられた筋交い補強の様子>


ケース3.大地震に遭遇しても、その後住み続けられる住まいを目指すリフォーム。

これは2.のケースで、基礎・木造部分併せて補強をおこなうことで、
地震後も住み続けられる資産価値の残るリフォームをおこなうこ と。
言葉を聞けばこれが一番と誰もが思われるでしょうが、
これではかなりのコストを覚悟しなければなりません。
通常、リフォームを考える場合に新築するのとどちらが有利かと検討すると思いますが、
ビフォーアフターでおこなわれる物件の大半は、リフォームしか選択肢がありません。
これは現在の建築基準法に適合していない既存不適格建物と呼ばれる住 宅が多いからです。
実はこうした住まいは、東京都内の住宅密集地域と呼ばれる地区に数多く存在しています。
公道に2m以上接していない、本来の道路に接していない(私道、無接道)、
建て替えると大幅 に建物を小さくしなければならない(建坪率、容積率超過)。
これら は、1950年(昭和25年)の建築基準法施行前に
存在していた築57年以上の建物に多く見られます。

このように、リフォームを取り巻く状況は複雑であり、
上述の1.のようなケースの方が稀であるかも知れません。
しかし、逆に1.しか頭になかったということも多いのです。

次回から、具体的な建坪9坪、延べ16坪の住まいの
リフォームのプロセスで、検証していきたいと思います。

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